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締め切りに遅れて申しわけありません。
2012年もまたドラマは低調に見えました。そんななか、『最後から二番目の恋』は、毎回楽しくて笑わせてくれて痛いところをつかれて、しみじみさせられる、大人の鑑賞にたえる作品でした。連続ドラマが最終回を迎えるのが残念だなんて、何年ぶりの体験だったろう。この作品以外にも、この年はフジテレビのドラマが復調の兆しを見せていました(2013年に入ってまたもとに戻ってしまったようだけど…)。
【連続ドラマ】
1:最後から二番目の恋(CX)
主演の小泉今日子・中井貴一が醸し出す雰囲気、舞台となった鎌倉や江ノ電沿線の、東京とは違う落ち着いた雰囲気、ゆったりした独特の時間の流れが好ましかった。演者、ロケの映像、そして物語と、作品の全てが人生の苦さをかみしめつつも肯定しようとしていた。
2:NHK東京『つるかめ助産院~南の島から~』
主人公・まりあ(仲里依紗)の一種の自分探しの話かと思いきや、みごとな群像劇だった。沖縄ロケの映像と室内シーンのスタジオ撮影の差があからさまだったのが残念。
出産シーンを長々と撮ったり、まりあのトラウマの元になった幼少時の体験や、艶子(加藤貴子)が想像妊娠したエピを入れたり、かなり重い題材を扱っていた。楽園のような南の島を舞台に、人情味豊かな人が織りなすハートウォーミングな話と思わせておいて、最近のヌルいドラマづくりのなかでは、ずいぶん思い切った内容だった。
3:NTV『悪夢ちゃん』
作品の世界観はかなり難解だが、第4話だったかの「空気を読んでへらへら笑うな」という台詞に代表される、現代社会への批評意識が反映した点は買い。オタク好みの物語という側面もあったけど、主人公の成長物でもあり、教養小説のような大きな構えがあった。
4:KTV『ゴーイング マイ ホーム』
物語としてはほぼ何も起きない。登場人物たちが、働き、生活しているだけ。つまり空気しかない。それなのに、見せる。事件の連打で成り立っている昨今の連ドラの対極にあるような作品作りだった。ただ、一話打ち切りになったのだろうか、それまで丹念にたどられていた各登場人物の描写が端折り気味だったのは残念。
5:NHKBSプレミアム『薄桜記』
ひところの地上波時代劇に比べて、予算削減のせいなのか、美術など全体的にどうも画面が安っぽく感じられたが、人間を苦しめる「大義」への疑念や拒絶の意志が明瞭に描かれていた。とりわけ、第8回「両成敗」の遺恨・乱心、第9回「文鳥」の討ち入り時に守るべきは上野介か当主義周かという問答は記憶に残る。
登場人物たちはみな基本的に善良な人間で、生活者で、狂信から距離を置く知性も持ち合わせていた。悲しい結末を迎える物語だったが、作品全体に健やかな雰囲気が漂っていた。
6:鍵のかかった部屋(CX)
毎回の謎解きももちろんだが、何よりドラマの世界観が心地よかった。登場人物のキャラ造型、映像の質感、カットとカットのつなぎ方、すべてにわたって統一感があった。ただし、終盤、主人公の「意外な正体」が明らかになったけど、それまでの行動との辻褄はどうなるのだろう。続編もいまだないようだし。
7:リーガル・ハイ(CX)
アクの強い人物をメインに据えた狂騒的喜劇で連ドラという、最近ではめずらしいタイプの作品。圧巻は何といっても第9話。古美門(堺雅人)の長広舌が、実は、福島原発事故を生んだ日本社会の精神的風土と、震災後の万能キーワード「絆」の両方をこてんぱんに批判していたと気付いた時のあの驚きと、自分が今、何かとんでもない瞬間に居合わせているという喜びは、忘れられない。ただ、その9話の高みが、それ以降の回も持続していなかったのは拍子抜けだった。最終回にいたっては、現実と妄想がきちんと区別されていなかったし、終わり方も腰砕けだった。ただ、のちに続編のスペシャル版があったし、10月期にパート2も放送されるので、良しとするか。
8:MBS『ドラゴン青年団』
日本の田舎町という、「剣と魔法」物語と全く無縁、ミスマッチな場所を舞台に、ファンタジーというジャンルを茶化すと思わせておいて、ジャンルの約束事を忠実になぞる。ところがそれを終盤でさらにもう一回ひっくり返していた。つまり、約束事を過剰に進行させ、陳腐化、無化していた。最終回のオチにも笑ってしまった。意表を突かれつつも楽しませてくれたドラマだった。
9:はつ恋(NHK)
木村佳乃と伊原剛志扮する中年男女の「現在」よりも、回想シーンがよかった。少年・少女時代を激しく純粋な時間として描いていた。少しずつ小出しに、断片的に見せたのは、第一には「過去」を伏せておくというストーリー上の都合があるだろうが、一方で、若い頃の記憶は美しく「浄化」され、出来事が起きた時間も前後したりするものだということも含めて、記憶というものの特質の表現になっていたと思う。
ただ、現在での「不倫」を「純愛」にするためにか、主人公を病死させたのにはちょっとついていけなかった。「少女漫画」ではない大人のドラマではダメだったのか。
10:NHK『シングルマザーズ』
シングルマザーたちが架空の港町に肩を寄せ合って生きる物語で、町はユートピアのように見えた。そうした一種のファンタジーのようなドラマでありながら、一方では社会派作品でもあったのがこのドラマの特徴。彼女たちの苦しい境遇を追うことで、新自由主義的弱肉強食の価値観が猖獗を究めたゼロ年代への批評にもなっていた。現代史をこんなにささやかなに、こんなに効果的に編むことができるとは。
次:NHK名古屋『恋するハエ女』
地方局制作だからなのか、予算が少ないことがかなりあからさまなつくり。主人公のミムラと相手役の筧利夫が、遠く離れた場所にいるはずなのに、毎回対面して、舞台劇のようにえんえんと話し続ける。それが作品の大半を占める。大人の事情に発する窮余の策なのかもしれないが、ドラマとしてはおもしろい手法になっていた。
次:NHKBSプレミアム『償い』
初回は社会派のミステリーとオカルトな超常現象をミックスした話に見えたが、最終回でちゃんと「説明」があり、骨太なドラマだったと思う。
次:『さばドル』(TX)
再放送で全話視聴。ばかばかしいけど楽しかった。
その他の作品。海外ドラマだが、NHKBSプレミアム『シャーロック2』。シャーロック役のベネディクト・カンバーバッチは、キレたヲタといった感じのキャラで強烈だった。
長澤まさみが主演・二役の『分身』(WOWOW)、筒井康隆ファンにはたまらない『家族八景 Nanase, Telepathy Girls' Ballad』(MBS)、猫好きにはたまらない『くろねこルーシー』(KBSほか)は初回しか見られなかった。
評判の良いNHK『負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂』とCX『主に泣いてます』、黒沢清演出(!)の『贖罪』(WOWOW)は未見。
【単発ドラマ】
1:NHK「それからの海」
75分のテレビ版を147分に再編集した「ディレクターズカット版」をTAMA映画祭で見た(撮影された地元ではこのバージョンの上映会があったらしい)。
ドキュメンタリーとみまごう迫真的な雰囲気と、人物に密着するテレビの特性によって、被災者の苦しみ悲しみが、見る側に強烈に伝わってきて、何度も息が詰まりそうになった。
2:「その街の今は」(KTV)
関西では2011年の放送だったようだが、東京では2012年1月に放送。物語はわかりにくいが、イメージに訴えかけてくる作品だった。街という場のもつ力や、街について人々が持つ過去の記憶が、傷ついた人たちを支える、そんな、言葉や映像にしにくい(つまり、わかり辛い)テーマではあったが、みごとに伝わってきた。
3:「生むと生まれるとこれからのこと」(NHK)
NHKBSプレミアムでは2011年に放送されたらしいが、NHK総合で2012年の深夜ひっそり放送されたのを視聴した。前半はケレンがやや鼻についたが、後半はいい。同棲中の登場人物二人が、相手を思いやっているつもりで、じつは大人になることを避けている様、そして、子どもっぽいなりになんとか相手と折り合いを付け、他者と向き合おうとする様がたくみに描かれていた。
4:「SPEC~翔」(TBS)
戸田恵梨香、谷村美月、真野恵里菜が三人でゆるーく踊るシーンが忘れがたい。
5:CX「最後から二番目の恋 2012秋」
50年代イタリア映画のようなにぎやかな艶笑譚的側面がより強調された、楽しい作品。初見の人にはわけがわからないかもしれないけど。
6:NHKBSプレミアム「ドロクター~ある日 、ボクは村でたった一人の医者になった~」
連ドラ向きの題材をむりに前後編にしたきらいはあるが、患者とのエピを淡々と連ねた後篇は、民俗学のフィールドノートの記述のようで面白かった。
7:CX「剣客商売~御老中暗殺~」。
小兵衛:北大路欣也、おはる:貫地谷しほり、大治郎:斎藤工、三冬:杏。枯れた味わいの藤田まことに比べてずいぶん精気溢れる小兵衛だとか、三冬が女くさすぎるとか、違和感はある。半面、キャストを一新したことで、スタッフがある種の解放感を得て、のびのびと撮っていたことが伝わってきた。
8:TBS「ダブルフェイス 潜入捜査編」
香港映画『インファナル・アフェア』の翻案ドラマ。香港のアクションものを現代の横浜に舞台を移すなんて無理もいいところで、オリジナルを再現しているだけという場面もあったが、他のドラマにはない雰囲気があった。
9:NHKBSプレミアム「黒い十人の黒木瞳」
黒木瞳が十種類の人物に扮する、ショートストーリーオムニバス。全十作いずれもブラックで毒に満ちた話だった。演出・タカハタ秀太。
10:「とんび」(NHK)
主人公の堤真一のキャラは、映画『Always三丁目の夕日』の登場人物のまんま。演者が過去に演じて評判になった映画のキャラをほぼそのまま流用するって、いいのだろうか。
使い古された話ではあったものの、この作品の「人情」はニセモノではなかった。小泉今日子が『空中庭園』『トウキョウソナタ』『グーグーだって猫である』などの映画で発揮してきた存在感を、テレビドラマでも見せてくれたという意味でも、記憶に残るドラマ(放送は『あまちゃん』はもちろん、たしか『最後から二番目の恋』よりも前)。
ほかに、
CX『東野圭吾ミステリーズ』#8“小さな故意の物語
連ドラだが、三浦春馬、波瑠出演の回はよくできた短編ドラマになっていた。ほかに#6“シャレードがいっぱい”(長澤まさみ)、#9“結婚報告”(広末涼子、山口紗弥加)などもよかった。
NHK東京『平清盛』第三十四回「白河院の伝言」
シリーズとしてはともかく、この回は出色だった。熱病で人事不省となった清盛の脳裏を、過去の記憶がよぎる一方で、周囲の人々が心の奥底に秘めていた願望や野心を自覚する。頻出する回想は、通常のドラマで用いられる量をはるかに超えていた。脚本・藤本有紀の十八番である時間の転移、過去と現在を錯綜させる手法の変奏なのだろうが、ポップミュージックにおけるリミックスのようにも見えて面白かった。
TX「ドラマスペシャル 親父がくれた秘密~下荒井5兄弟の帰郷~」は未見。深川栄洋演出なのでいつか鑑賞してみたい。
【部門賞】
◎主演男優賞:中井貴一(最後から二番目の恋)
情けないとぼけた味がよかった。ほかに中居正広(ATARU)、堺雅人(リーガル・ハイ)、大野智(鍵のかかった部屋)、阿部寛(ゴーイング マイ ホーム)、安田章大(ドラゴン青年団)。
◎主演女優賞:小泉今日子(最後から二番目の恋、とんび)
今年(2013年)の『あまちゃん』での大ブレイクの前に、2012年の成功があったことを忘れてはならない。『最後から~』では、中井貴一との口げんか以外は、何があっても感情を高ぶらせない大人な女性をみごとに演じていた。そして、感情が高ぶらなくなってしまった自分の年齢故の変化を、一抹の悲しみを感じながらも受け入れ、肯定してゆく様も魅力的だった。それにしても、『あまちゃん』が始まったころ、小泉さんについて、『最後から~』を含めて言いがかり、揚げ足取りとしか見えないディスり方をしていた「週刊文春」の某ライター(と担当編集者)は、今どう思ってるんだろう。
ほかに長澤まさみ(都市伝説の女)、仲里依紗(つるかめ助産院)、深田恭子(TOKYOエアポート)、谷村美月(たぶらかし~代行女優業・マキ~)。
◎助演男優賞:伊東四朗(つるかめ助産院)
ギャグではない普通のシーンのちょっとした動作のなかに、喜劇役者としての芸を織り込んでくれたのが楽しかった。ほかに武田鉄矢(ストロベリーナイト)、佐藤浩市(鍵のかかった部屋)、里見浩太朗(ハンチョウ~警視庁安積班~(5)、リーガル・ハイ)、綾野剛(クレオパトラな女たち)、中井貴一(PRICELESS)。
◎助演女優賞:戸田恵梨香(鍵のかかった部屋)
何度も主役をはった人が、ここでは佐藤浩市とともに「凡庸な探偵助手」役に徹していた。主人公が推理を展開する画面の隅で、佐藤といっしょに相槌をうったり、無駄な推理をめぐらせる様がおかしくておかしくて。
ほかに鈴木杏(聖なる怪物たち)、水崎綾女(つるかめ助産院)、宮崎あおい(ゴーイング マイ ホーム)、蓮佛美沙子(ドラゴン青年団)、佐津川愛美(最後から二番目の恋、本日は大安なり)、ソニン(はつ恋)、鶴田真由(デカ黒川鈴木)。
そして木村文乃(梅ちゃん先生、浪花少年探偵団、黒の女教師、ドロクター~ある日 、ボクは村でたった一人の医者になった~他)。前年10月期から引き続き、めざましく活躍した。まさに台頭したという感じ。
◎新人男優賞:小林ユウキチ(はつ恋)
伊原剛志演じる中年男の「浄化された記憶」としての過去・回想シーンを演じた。イノセントな雰囲気と時折ほとばしる激情が印象的だった。
ほかに三浦翔平(東京全力少女)、松坂桃李(梅ちゃん先生)、三浦貴大(クローバー)。
◎新人女優賞:橋本愛(はつ恋)
2012年って北三陸市の女性陣が出てきた年でもあるんだな、と、なんでも『あまちゃん』中心に見てしまう自分(ずぶん)。
ほかに三吉彩花(結婚しない)、渡辺麻友(さばドル)、能年玲奈(鍵のかかった部屋)、吉永淳(「D×TOWN」シリーズ『スパイ特区』、『高橋留美子劇場』第1話「赤い花束」)、本田翼(GTO)、入来茉里(ラッキーセブン)、広瀬アリス(黒の女教師)、島崎遥香(マジすか学園3)、浜辺美波(浪花少年探偵団)。光宗薫(ATARU)はもうドラマはやらないのかな。
◎主題歌賞:ももいろクローバーZ「サラバ、愛しき悲しみたちよ」(悪夢ちゃん)
いい意味で子どもっぽく、昂揚感のあるいい歌だった。最終回で生徒たちがこの曲を合唱したのには感動した。
◎主題歌賞:Yael Naim(ヤエル・ナイム)「Go To The River」「Far Far」(最後から二番目の恋)
挿入歌だが、この曲がかかるたびに登場人物たちの滑稽さ、トラブルに直面しての右往左往ぶりが効果的に強調されていた。ほかに浜崎あゆみ「how beautiful you are」(『最後から二番目の恋』)。
◎タイトルバック賞:最後から二番目の恋
倉本聰の『優しい時間』以降の三部作を踏襲したデザインだが、ちりばめられた写真の雰囲気が好ましかった。
ほかに『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』(OP)。主要登場人物が歌う主題歌に乗せて、四万十の風景が空撮で映し出されるのが、ベタだけどツボだった。
◎企画賞:成河広明&加藤達也(企画)・稲田秀樹(プロデュース)(リーガル・ハイ)
回によって出来不出来にばらつきがあり、ことに終盤は腰砕けな終わり方だったけど、スタッフチーム一丸となって喜劇的ドラマをつくろうという意気込みとエネルギーが感じられた。何より、第9話をオンエアまで持っていった勇気と手腕に拍手。ほかに若松央樹、浅野澄美(最後から二番目の恋)、蔵本憲昭【企画・プロデュース】、花田聖、田中良明、中沢晋、竹園元【プロデューサー】(ドラゴン青年団)、ほかに植田博樹、韓哲(ATARU)、小原一隆(鍵のかかった部屋)、『ゴーイング マイ ホーム』のプロデューサー。
◎脚本賞:岡田惠和(最後から二番目の恋)
性的な話題が多かった点、死を売り物にした最近のある種のドラマ、映画への猛烈な批判など、岡田作品にしては珍しくアグレッシブだった。またこの作品は、山田太一の作品や『俺たち』シリーズなど70年代80年代の作家性の強いドラマへの、2012年時点での岡田さんなりの解答であり、そして何より、楽しい人生讃歌だった。2013年1月期の『泣くな、はらちゃん』、7月期の『スターマン』とあわせ、岡田惠和という脚本家のひとつのピークを目の当たりにしているようで、ドラマ好きの視聴者としてとても幸運だと思う。
古沢良太(リーガル・ハイ)。真実は一つではない、善悪二分法では処理できない事柄もある。そんな苦い認識を、騒々しいコメディに仕立てた。圧巻は何といっても第9話だが、原発事故だけならともかく、「絆」を批判したのはほんとにすごい。
ほかに櫻井武晴(ATARU)、上田誠、大歳倫弘、池浦さだ夢(ドラゴン青年団)、水橋文美江(つるかめ助産院)、相良敦子(シングルマザーズ)、大森寿美男(悪夢ちゃん)。
◎演出賞:井上剛(はつ恋)
詳しい説明抜きで挿入された過去の回想シーンがよかった。記憶というものは時系列順に整然と並べられているのではなく、現在の感情と結びついて、ランダムに、噴き出るように立ち現れるものだということが、うまく表現されていた。同時に十代の一途さ、激情も伝わってきた。ただ作品としては、他の演出担当者になるとボルテージが落ちていたのが残念。
ほかに宮本理江子、谷村政樹、並木道子(最後から二番目の恋)、古厩智之(つるかめ助産院)、是枝裕和(ゴーイング マイ ホーム)。
◎ベスト台詞賞
「能力、病気、障害…それを分けることに、いったいどんな意味があるんだって。とても厄介な…でも愛すべき個性じゃダメなのか?」(『ATARU』最終話)
ほかに、
「誰にも責任を取らせず、見たくないものを見ず、みんな仲良しで暮らしていけば楽でしょう。しかし、もし誇りある生き方を取り戻したいのなら、見たくない現実を見なければならない。深い傷を負う覚悟で前に進まなければならない。戦うということはそういうことだ!」(『リーガル・ハイ』第9話)
「世界は見えるものだけでできているのではない、だから世界を見えることだけで考えるな」(ゴーイング マイ ホーム)
このドラマの根本思想とも言える台詞。いまのドラマの一部(はっきり言えば『家政婦のミタ』)への痛烈な批判にもなっている。贅沢を言えば、同じ事を肯定形で言ってくれたら…。
◎ワースト作品
NHK大阪『純と愛』
2012年は前半だけですが、序盤から一貫してイヤ汁出しまくり。『あまちゃん』の前にこのドラマをやっていたなんて、嘘のようです。悪夢だったのか(笑)。
ほかに『カーネーション』。2011年放送の前半が嘘のようにつまらなくなっていた。ことに主役の交代は、いま考えても間違っていたと思う。
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